転職活動を続けて、ようやく届いた内定。
「採用です」
と言われた瞬間は、やはりうれしいものです。
これまで求人を探して、履歴書を書いて、面接を受けてきたのですから、
「お願いします!」
とすぐ返事をしたくなるかもしれません。
でも、ここで一つだけ大切なことがあります。
内定をもらったら、承諾する前に労働条件をもう一度確認する。
求人票に書いてあった条件と、
実際に自分へ提示された条件が、
同じとは限らないからです。
たとえば、
「月給30万円だと思っていたら夜勤4回込みだった」
「基本給が想定より低かった」
「年間休日120日だと思ったら、配属先では勤務体系が違った」
「試用期間中は手当が出なかった」
という認識違いは、できれば入職前に防ぎたいところです。
今回は、看護師が内定をもらったときに確認しておきたいポイントを整理します。
内定したら、まず「口頭」ではなく書面で確認する
電話で、
「採用です」
と言われることがあります。
その際に、
給与は○万円です。
勤務は二交替です。
配属は○○病棟予定です。
と説明されることもあります。
ただ、できれば最終的な条件は、
書面
で確認しましょう。
代表的なのが、
労働条件通知書
です。
雇用契約書を交わす職場もあります。
大切なのは、
「聞いたつもり」ではなく、条件が文字として確認できること
です。
労働条件通知書とは?
労働条件通知書は、採用時に、
労働契約の期間
就業場所
仕事内容
勤務時間
休日
賃金
など、重要な労働条件を明示するための書面です。
求人票は、
「募集時の情報」
です。
一方、労働条件通知書は、
「あなたが実際にその条件で働くための確認書類」
です。
この違いはとても重要です。
求人票と労働条件通知書を横に並べる
内定後は、
求人票
と
労働条件通知書
を横に並べて見てみましょう。
確認するのは、
給与
勤務時間
休日
夜勤
試用期間
就業場所
仕事内容
などです。
求人票で見た条件と違う部分があれば、
「どうして違うのだろう?」
と確認します。
① 基本給はいくらか
まず最初に確認したいのが基本給です。
求人票には、
月給300,000円
と書いてあっても、
内訳は、
基本給220,000円
資格手当20,000円
職務手当20,000円
固定残業代40,000円
かもしれません。
内定時には、
自分の基本給が具体的にいくらになるのか
を確認しましょう。
経験加算のある求人なら、
「経験を考慮します」
ではなく、
「あなたの基本給は○円です」
まで確認することが重要です。
② 毎月固定で支払われる手当を確認
次に、
資格手当
職務手当
処遇改善手当
など、毎月支払われる手当を確認します。
求人票では、
「各種手当あり」
とだけ書かれていたものが、内定時には具体的な金額で示されることもあります。
自分が支給対象になるかも確認しましょう。
③ 夜勤手当はいくら?月何回?
看護師なら特に重要です。
確認したいのは、
夜勤手当1回あたりの金額
だけではありません。
月に何回程度を予定しているか
も重要です。
たとえば、
夜勤手当15,000円×4回
なら、
月60,000円
です。
でも、実際には月5〜6回入る職場なら、収入も負担も変わります。
「月収例」と「固定月給」は分ける
たとえば、
月収320,000円
と書かれていても、
夜勤4回込みの例かもしれません。
内定時には、
夜勤をしなかった場合の固定給与はいくらか
を確認しておくと安心です。
たとえば、
基本給230,000円
資格手当20,000円
なら、
固定的な給与は250,000円。
そこに夜勤手当が加わる。
というように分けて考えます。
④ 固定残業代が入っていないか
内定条件で給与が高く見えても、
固定残業代
が含まれている場合があります。
その場合は、
金額
何時間分か
超過分の扱い
を確認しましょう。
第4回「求人の読み方」で詳しく解説した部分です。
⑤ 賞与はどうなる?
求人票に、
賞与年2回・4か月分
と書いてあった場合、
内定時にも確認したいのは、
何を基準に計算するか
です。
基本給か。
基本給+一部手当か。
評価によるのか。
前年度実績なのか。
さらに、初年度の賞与も確認しておきましょう。
入職時期によっては、満額支給されないことがあります。
⑥ 昇給はどう決まる?
求人票に、
昇給あり
とあっても、
具体的な金額や条件は分からないことがあります。
内定時には、
昇給は毎年あるのか
評価によるのか
基本給が上がるのか
を確認できると安心です。
長く働くつもりなら重要な条件です。
⑦ 退職金制度の対象か
「退職金制度あり」
と書いてあっても、
勤続3年以上
などの条件があることがあります。
また、
正職員のみ。
契約職員は対象外。
など、雇用形態で違う場合もあります。
内定時には、
自分が対象になるか
を確認しましょう。
⑧ 年間休日は何日?
休日も重要です。
求人票で、
年間休日120日
と書かれていたなら、
最終条件でも同じか確認します。
さらに、
完全週休2日制
4週8休
月9日休み
シフト制
など、休日の仕組みも確認しましょう。
年間休日の「内訳」も確認
可能であれば、
年間休日120日の中に、
祝日相当分
夏季休暇
年末年始
が含まれているのかも確認します。
さらに、
有給休暇は別か。
特別休暇は別か。
も見ておくと、実際の休みが分かります。
⑨ 希望休は何日出せる?
看護師はシフト勤務が多いため、
希望休
も大切です。
たとえば、
希望休月3日まで。
という運用があるかもしれません。
ただし、
「3日出せる」
ことと、
「必ず3日通る」
ことは同じではありません。
実際の運用も確認できると安心です。
⑩ 勤務時間を確認
日勤なら、
8:30〜17:00
など。
夜勤なら、
16:30〜翌9:00
など。
勤務時間を確認します。
さらに、
休憩時間
二交替・三交替
早番・遅番の有無
も重要です。
「勤務時間」だけでなく実際の退勤時間も考える
求人票では17時終了でも、
残業月平均20時間
なら、実際には17時に帰れない日も多いかもしれません。
内定前後に、
「日勤の場合、通常は何時ごろ退勤される方が多いですか?」
と確認しておくのもよいでしょう。
⑪ 配属先を確認する
看護師の場合、
配属先
で働き方は大きく変わります。
たとえば、
内科病棟。
外科病棟。
ICU。
外来。
手術室。
などです。
「一般病棟勤務」と思っていたのに、
入職時に別部署へ配属される可能性があるなら、事前に知っておきたいところです。
配属は「予定」か「確定」か
内定時に、
「○○病棟予定です」
と言われることがあります。
ここで、
確定なのか、変更の可能性があるのか
を確認しましょう。
特に、
「絶対に外来で働きたい」
「夜勤のない部署を希望」
などの強い希望がある場合は重要です。
⑫ 業務内容を確認する
同じ看護師でも、
仕事内容は職場によって違います。
たとえば介護施設なら、
服薬管理
健康管理
受診判断
看取り
など。
訪問看護なら、
訪問
オンコール
記録
移動
などがあります。
自分が想定している仕事と一致しているか確認します。
⑬ 試用期間の条件を確認
試用期間がある場合は、
何か月か
給与は同じか
手当は同じか
雇用形態は同じか
を確認します。
特に看護師の場合、
試用期間中は夜勤なし
というケースもあります。
その場合、初月から求人票の月収例と同じになるとは限りません。
⑭ 社会保険・福利厚生を確認
正職員として働く場合は、
健康保険。
厚生年金。
雇用保険。
労災保険。
などの加入条件も確認します。
さらに、
住宅手当
院内保育
職員寮
研修補助
など、自分が重視している福利厚生があるなら確認しておきましょう。
⑮ 入職日を確認
内定後は、
いつから働くか
を明確にします。
現職を退職する場合、
退職日。
有給消化。
引き継ぎ。
などとの調整が必要です。
「○月1日入職」
なのか、
「○月中なら相談可能」
なのかを確認しましょう。
内定承諾はすぐ返事しなくてもいい?
内定をもらうと、
「今すぐ返事してください」
と言われるような気がして焦るかもしれません。
しかし、条件を確認してから判断したいのは自然なことです。
返答期限が示された場合は、その期限を確認します。
もし少し検討したいなら、
「内定のご連絡ありがとうございます。労働条件を確認したうえでお返事したいのですが、○日までお時間をいただくことは可能でしょうか」
と相談できます。
複数内定がある場合は「同じ項目」で比較する
2つ以上の内定がある場合、
印象だけで選ばないようにします。
たとえば、
| 条件 | 求人A | 求人B |
| 基本給 | 26万円 | 24万円 |
| 夜勤手当 | 1.5万円 | 1.8万円 |
| 賞与 | 4か月 | 3か月 |
| 年間休日 | 110日 | 120日 |
| 残業 | 15時間 | 5時間 |
| 通勤 | 20分 | 40分 |
というように、同じ項目で並べると判断しやすくなります。
求人票と違う条件を提示されたらどうする?
ここは重要です。
たとえば求人票では、
月給30万円
だったのに、
内定条件では28万円。
となっていた場合。
まずは、
理由を確認
します。
経験加算の結果なのか。
試用期間中の金額なのか。
夜勤回数の違いなのか。
求人票のモデル給与だったのか。
事情を確認したうえで判断します。
曖昧なまま承諾しない
「たぶん大丈夫だろう」
で入職すると、
後から認識違いが起こりやすくなります。
特に、
給与
休日
夜勤
配属
試用期間
は、できるだけ明確にしておきましょう。
「聞きにくい」は入職後もっと困る
内定後に、
「給与のことを聞いたら印象が悪いかな」
「休みのことを聞きすぎかな」
と不安になる人もいます。
でも、これから実際に働く条件です。
丁寧な聞き方をすれば問題ありません。
むしろ、曖昧なまま入職してから、
「聞いていた条件と違う」
となる方が双方にとって困ります。
確認するときの質問例
たとえば、
「提示いただいた月給の内訳について、基本給と各種手当を確認させていただけますか?」
「年間休日120日の内訳について教えていただけますか?」
「夜勤は月4回程度とのことですが、入職後はいつごろから開始予定でしょうか?」
「試用期間中も給与・手当は同条件でしょうか?」
などです。
内定時チェックリスト15項目
最後に一覧で確認しましょう。
□ 1. 基本給
□ 2. 固定手当
□ 3. 夜勤手当・夜勤回数
□ 4. 固定残業代
□ 5. 賞与
□ 6. 昇給
□ 7. 退職金
□ 8. 年間休日
□ 9. 希望休
□ 10. 勤務時間
□ 11. 配属先
□ 12. 業務内容
□ 13. 試用期間
□ 14. 社会保険・福利厚生
□ 15. 入職日
この15項目を確認してから承諾すれば、かなり安心できます。
求人票→面接→労働条件通知書の3段階で確認する
転職先の条件は、
求人票
だけで決めるのではありません。
まず求人票で確認。
↓
面接・職場見学で確認。
↓
内定後に労働条件通知書等で最終確認。
この3段階で見ます。
内定はゴールではなく「最終確認のタイミング」
内定をもらうと、
「転職活動が終わった!」
と思います。
でも、実際にはもう一つ大切な作業が残っています。
本当にこの条件で働くのかを決めること。
給与。
休日。
夜勤。
勤務時間。
配属。
仕事内容。
すべて確認して、
「この条件なら働きたい」
と納得してから承諾しましょう。
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求人の読み方|その求人、本当に大丈夫?求人票で見つけたい「気になるサイン」10項目
求人票と最終条件を比較するときの総合チェックとして使えます。

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