求人票には、
給与
年間休日
勤務時間
夜勤回数
賞与
など、たくさんの情報が書かれています。
でも、求人票だけでは分からないこともあります。
たとえば、
スタッフ同士の雰囲気はどうか。
忙しさはどの程度か。
新人や中途採用者に声をかける文化があるか。
患者さんへの接し方は丁寧か。
定時を過ぎても多くのスタッフが残っていないか。
こうした部分は、実際に職場へ行って初めて見えてくることがあります。
だからこそ、転職先を決める前の職場見学はとても重要です。
今回は、看護師が職場見学で確認したい10項目を整理します。
職場見学は「きれいかどうか」を見るだけではない
病院や施設を見学すると、
建物が新しい。
病棟が明るい。
設備がきれい。
という部分に目がいきます。
もちろん、それも働きやすさの一つです。
でも、本当に確認したいのは、
その場所で毎日働く自分を想像できるか
ということです。
設備よりも、
スタッフの表情。
会話。
動き方。
忙しさ。
患者さんとの関わり方。
などを見てみましょう。
① スタッフの表情を見る
まず見るのは、
スタッフの表情
です。
職場見学中に、
皆が常に険しい表情。
会話がほとんどない。
誰かが話しかけても冷たい。
という雰囲気なら、少し気になるかもしれません。
一方で、
忙しくても声を掛け合っている。
質問に対して自然に答えている。
患者さんにも穏やかに接している。
という職場なら、働きやすさを感じることがあります。
ただし、見学した一瞬だけで職場全体を決めつけるのは避けましょう。
あくまで一つの参考材料です。
② スタッフ同士の会話を見る
次に、
スタッフ同士がどのようにコミュニケーションを取っているか
を見ます。
たとえば、
「これお願いできますか?」
「大丈夫です」
「ありがとうございます」
と自然に声を掛け合っているか。
それとも、
指示だけが飛び交っているか。
質問しづらそうな雰囲気か。
特に中途採用者として入る場合、
分からないことを聞ける空気があるか
は重要です。
③ ナースステーションの雰囲気を見る
病棟勤務なら、ナースステーションも見てみましょう。
ポイントは、
忙しいかどうか
だけではありません。
忙しくても、
整理されている。
役割分担ができている。
スタッフが落ち着いて動いている。
という職場もあります。
一方で、
電話が鳴り続ける。
書類が山積み。
皆が慌ただしく走っている。
声をかけても反応できない。
という状態なら、日常的な忙しさが強い可能性があります。
④ 患者さんへの接し方を見る
看護師同士だけでなく、
患者さんへの接し方
も重要です。
たとえば、
患者さんにきちんと説明している。
名前を呼んで声をかけている。
急いでいても雑な対応をしていない。
といった部分です。
自分が大切にしたい看護と、
その職場の文化が合っているかを見る材料になります。
⑤ 定時前後のスタッフの様子を見る
可能であれば、
日勤終了時刻の前後
も確認したいところです。
たとえば、17時30分が定時なのに、
18時を過ぎても大勢のスタッフが残っている。
多くの人が記録を続けている。
という様子なら、
求人票の残業時間と実態が合っているか確認したくなります。
逆に、
定時前後に業務が整理され、
スタッフが順番に帰っているなら、働き方の参考になります。
⑥ 中途採用者への教育体制を確認する
転職者にとって重要なのが、
中途採用者への教育
です。
新卒研修が充実していても、
中途採用者は、
「経験者だから大丈夫ですよね」
と、いきなり一人で任される職場もあります。
職場見学では、
「中途採用者には、どのような教育やフォローがありますか?」
と聞いてみましょう。
確認したいのは、
- オリエンテーション
- プリセプター・担当者
- 夜勤開始までの流れ
- 技術チェック
- 面談
- フォロー期間
などです。
⑦ 夜勤体制を確認する
夜勤のある職場なら、必ず確認したい項目です。
たとえば、
看護師何人で夜勤するのか
看護補助者はいるのか
何床を担当するのか
救急入院があるのか
などです。
同じ夜勤手当でも、
夜勤体制によって負担は大きく変わります。
職場見学では、
「夜勤は通常、看護師何名体制でしょうか?」
と聞いてみましょう。
⑧ 病棟の患者層・重症度を見る
同じ「一般病棟」でも、
患者さんの状態は大きく違います。
たとえば、
術後患者が多い。
高齢患者が多い。
認知症患者が多い。
人工呼吸器管理が多い。
救急入院が多い。
というように、病棟によって特徴があります。
自分の経験や希望と合っているか確認しましょう。
⑨ 看護師の年齢層・中途採用者の割合を見る
職場によって、
若手中心。
30〜40代が多い。
ベテラン中心。
など、年齢構成が違います。
どれが良い悪いではありません。
ただ、
自分と近い年代がいるか。
中途採用者が多いか。
長く勤めている人が多いか。
は、働きやすさを考える参考になります。
可能なら、
「中途入職の方はどのくらいいらっしゃいますか?」
と聞いてみてもよいでしょう。
⑩ 休憩室・更衣室なども見る
意外に大切なのが、
休憩環境
です。
たとえば、
休憩室があるか。
休憩中にナースコール対応を求められるのか。
仮眠室があるか。
更衣室が十分か。
などです。
夜勤のある職場では特に、
仮眠環境
も確認したいところです。
求人票にはほとんど書かれていませんが、毎日の働きやすさには大きく影響します。
10項目を一覧で確認
職場見学では、次の10項目を確認してみましょう。
| 項目 | 見るポイント |
| 1 | スタッフの表情 |
| 2 | スタッフ同士の会話 |
| 3 | ナースステーションの雰囲気 |
| 4 | 患者さんへの接し方 |
| 5 | 定時前後の残業状況 |
| 6 | 中途採用者への教育 |
| 7 | 夜勤体制 |
| 8 | 患者層・重症度 |
| 9 | 年齢層・中途採用者の割合 |
| 10 | 休憩室・更衣室・仮眠環境 |
見学で人間関係は分かる?
ここはよく聞かれるところです。
結論から言えば、
職場見学だけで人間関係を完全に見抜くことはできません。
見学時間は短いからです。
それでも、
声を掛け合っているか。
挨拶があるか。
質問しやすそうか。
新人に対する態度はどうか。
などを見ることで、
職場文化の一部
は感じ取れることがあります。
「雰囲気が良かった」だけで決めない
逆に、
「皆さん笑顔で、すごく雰囲気が良かった」
だけで決めるのも危険です。
職場見学は採用活動の一部なので、
普段より丁寧に対応している可能性もあります。
だからこそ、
見た印象
だけでなく、
求人票の条件。
残業時間。
年間休日。
離職状況。
教育体制。
と合わせて判断しましょう。
質問しておきたいこと
職場見学では、気になることを質問して構いません。
たとえば、
「中途採用者は、入職後どのような流れで業務を覚えていきますか?」
「日勤では、皆さん平均して何時ごろ退勤されていますか?」
「希望休は月に何日程度出せますか?」
「夜勤は何名体制ですか?」
「有給休暇は、実際にはどのくらい取得されていますか?」
などです。
求人票だけでは分からないことを聞く場として活用しましょう。
聞きにくいことは「一般的には」で聞く
たとえば、
「残業多いですか?」
と直接聞きにくい場合は、
「日勤の場合、皆さん通常は何時ごろ退勤されることが多いですか?」
と聞けます。
「有給取れますか?」
なら、
「職員の皆さんの平均的な有給取得日数はどのくらいでしょうか?」
と聞けます。
数字にすると答えてもらいやすくなります。
職場見学は一人で行ってもいい?
基本的には問題ありません。
むしろ、自分が働く職場なので、
自分の目で確認する
ことが大切です。
もし転職エージェントなどを利用している場合は、担当者が同行するケースもあります。
どちらでも構いません。
見学だけして応募しなくてもいい?
もちろんです。
見学した結果、
「思っていた職場と違う」
と感じたら、応募しないという選択もあります。
職場見学の目的は、
応募先を増やすことではなく、自分に合う職場か確認すること
です。
できれば2〜3か所見る
可能なら、
1か所だけでなく複数の職場を見る
ことをおすすめします。
1か所だけだと、
その職場が普通なのか分かりません。
2〜3か所見ると、
「この病院はスタッフ同士の声掛けが多い」
「こちらはすごく静か」
「この施設は休憩室が広い」
など、違いが見えてきます。
見学直後にメモする
見学が終わったら、
その日のうちにメモしましょう。
時間が経つと、
「どっちの病院だったかな」
と分からなくなります。
おすすめは、
良かった点
気になった点
確認できなかった点
の3つに分けることです。
職場見学メモの例
良かった点
- スタッフ同士の声掛けが多い
- 病棟が整理されている
- 中途採用者の教育担当あり
- 夜勤3人体制
気になった点
- 定時後もスタッフが多く残っていた
- ナースステーションがかなり慌ただしい
- 休憩室が狭い
確認できなかった点
- 有給取得日数
- 希望休の通りやすさ
- 夜勤開始時期
このメモを、求人票と一緒に比較します。
求人票と職場見学をセットにする
たとえば、
求人票には、
残業月平均5時間。
でも、見学時には定時後も多くの人が残っている。
そうした場合は、
「忙しい時期だったのかな?」
「前残業は含まれている?」
と追加確認できます。
逆に、求人票では年間休日110日と少し少なくても、
有給取得が多い。
希望休が通りやすい。
連休が取りやすい。
なら、自分には合うかもしれません。
職場見学では「違和感」を大切にする
数値では説明できなくても、
「なんとなく合わない気がする」
ということがあります。
その感覚を完全に無視する必要はありません。
ただし、
なぜ違和感を感じたのか
を言葉にしてみましょう。
たとえば、
スタッフが挨拶しない。
質問に対して答えが曖昧。
病棟が極端に散らかっている。
患者さんへの声掛けが気になった。
などです。
理由が分かれば、判断材料になります。
逆に「自分が働いている姿」を想像できるか
見学中に、
「ここで働いている自分を想像できるか」
も大切です。
朝ここに来る。
このナースステーションで申し送りをする。
このスタッフと一緒に働く。
この病棟で夜勤をする。
そんな場面を想像してみてください。
「ここならやれそう」
と感じるか。
「毎日は少しきつそう」
と感じるか。
それも職場選びの一つのヒントです。
職場見学で見るべき10項目を最終確認
最後にもう一度まとめます。
① スタッフの表情
② スタッフ同士の会話
③ ナースステーションの雰囲気
④ 患者さんへの接し方
⑤ 定時前後の残業状況
⑥ 中途採用者への教育体制
⑦ 夜勤体制
⑧ 患者層・重症度
⑨ 年齢層・中途採用者の割合
⑩ 休憩・仮眠・更衣環境
全部を確認できなくても構いません。
自分が重視する項目から見てみましょう。
求人票だけでは職場は決められない
求人票には重要な情報がたくさんあります。
でも、
働きやすさ
まで完全に書かれているわけではありません。
だから、
求人票で条件を確認する
↓
職場見学で現場を見る
↓
面接で分からないことを聞く
という3段階で確認するのがおすすめです。
職場見学は「選ばれる場」ではなく「選ぶ場」でもある
職場見学に行くと、
「失礼のないようにしないと」
「良い印象を持ってもらわないと」
と思うかもしれません。
もちろん礼儀は大切です。
でも、同時に、
あなた自身が職場を選ぶ場
でもあります。
給与。
休日。
人間関係。
忙しさ。
教育体制。
すべてを含めて、
「ここで働きたいか」
を確認してください。
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