第3回|急性期・慢性期・クリニック・介護施設・訪問看護|看護師の転職先を比較

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「今の病院を辞めたい」

そう思ったとき、

次も病院で働く

と決めていませんか?

もちろん病院への転職も大切な選択肢です。

でも、看護師が働ける場所は病院だけではありません。

たとえば、

急性期病院

慢性期病院

クリニック

介護施設

訪問看護

など、働く場所によって仕事内容や勤務時間、夜勤、患者さんとの関わり方は大きく変わります。

今の職場が合わないからといって、

看護師という仕事そのものが合わない

とは限りません。

もしかすると、

働く場所を変えるだけで、自分に合う看護が見つかる

かもしれません。

今回は、代表的な5つの転職先を比較しながら、それぞれの特徴を整理します。


まず5つの職場をざっくり比較

最初に全体像を見てみましょう。

職場夜勤忙しさ患者との関わり医療処置働き方の特徴
急性期病院あり高い短期多いスピード・判断力
慢性期病院あり比較的安定長期中程度継続看護
クリニック少ない/なし診療科による外来中心診療科による日勤中心
介護施設施設による比較的安定長期少〜中生活支援
訪問看護原則日勤中心訪問件数による非常に深い多様1対1の看護

もちろん、同じ「急性期」「介護施設」でも職場によって大きく違います。

この表はあくまで目安として見てください。


急性期病院|医療処置・判断力・スピードを重視する人向け

急性期病院では、

手術

救急

急変対応

点滴

輸血

術前・術後管理

など、医療依存度の高い患者さんを担当することが多くなります。

患者さんの入退院も多く、

短い期間で状態を把握し、必要な看護を提供する力

が求められます。


急性期のメリット

看護技術を身につけやすい

さまざまな処置・疾患に触れる機会があります。

判断力が鍛えられる

患者さんの状態変化への対応力が身につきやすいです。

教育体制が整っている職場が多い

大規模病院では研修制度が充実していることがあります。

キャリアの選択肢が広がりやすい

救急、ICU、手術室など、専門分野へ進む道もあります。


急性期で気になる点

一方で、

忙しい

残業が発生しやすい

夜勤がある

患者さんとの関わりが短い

と感じる人もいます。

「もっと一人ひとりとゆっくり関わりたい」

という人には、合わない場合もあります。


急性期が向いている人

  • 医療技術を身につけたい
  • スピード感のある仕事が好き
  • 急変対応に強くなりたい
  • キャリアアップしたい
  • 幅広い疾患を経験したい

という人に向いています。


慢性期病院|患者さんと長く関わりたい人向け

慢性期病院では、

長期療養

慢性疾患

医療依存度の高い高齢者

などを対象とすることが多くなります。

急性期ほど入退院の回転が速くないため、

患者さんと長期的に関わる看護

が中心になります。


慢性期のメリット

患者さんと長く関われる

継続的な関係を築きやすいです。

生活を支える看護ができる

治療だけでなく、日常生活全体を支える視点が重要になります。

急性期より勤務が落ち着いている場合がある

ただし、これは職場によって異なります。


慢性期で気になる点

慢性期だから楽、とは限りません。

たとえば、

介助量が多い

認知症患者が多い

褥瘡管理

吸引

経管栄養

など、身体的な負担が大きいこともあります。


慢性期が向いている人

  • 患者さんと長く関わりたい
  • 生活を支える看護が好き
  • 急性期のスピード感がつらい
  • 高齢者看護に興味がある

という人に向いています。


クリニック|日勤中心で働きたい人向け

クリニックは、

外来診療

が中心です。

一般的には病棟のような夜勤がない求人が多く、

日勤中心の働き方をしたい人

から人気があります。


クリニックのメリット

夜勤がない求人が多い

生活リズムを整えやすくなります。

通勤しやすい場所にあることが多い

地域密着型の職場も多いです。

診療科の専門性を深めやすい

皮膚科、眼科、整形外科、内科など、専門分野に特化できます。


クリニックで気になる点

一方で、

看護師の人数が少ない

ことがあります。

そのため、

採血。

診療補助。

電話対応。

清掃。

在庫管理。

受付補助。

など、病院より幅広い業務を担当する場合もあります。

また、少人数だからこそ、

人間関係の影響を受けやすい

こともあります。


クリニックが向いている人

  • 夜勤をなくしたい
  • 日勤中心で働きたい
  • 特定の診療科に興味がある
  • 小規模な職場が好き
  • 地域密着型の看護がしたい

という人に向いています。


介護施設|医療より生活支援を重視したい人向け

介護施設には、

特別養護老人ホーム

介護老人保健施設

有料老人ホーム

グループホーム

などがあります。

施設によって役割は異なりますが、

病院とは違い、

生活の場で健康管理を行う

ことが中心になります。


介護施設での主な仕事

たとえば、

バイタルチェック

服薬管理

処置

受診判断

医師との連携

介護職との連携

などです。

病院のように医師が常時いるとは限らないため、

看護師の判断力が求められる場面

もあります。


介護施設のメリット

入居者と長く関われる

生活全体を見る看護ができます。

夜勤なし求人もある

オンコール対応のみという職場もあります。

高齢者看護の経験を活かせる

慢性期経験とも相性がよいです。


介護施設で気になる点

施設によっては、

看護師配置が少ない

ことがあります。

また、

オンコール

看取り

急変時の判断

などの負担もあります。

「医療処置が少ないから楽」と考えるのは早いです。


介護施設が向いている人

  • 高齢者と長く関わりたい
  • 生活支援に興味がある
  • 病院以外で働きたい
  • 介護職と連携するのが好き
  • 看取りに関心がある

という人に向いています。


訪問看護|1対1でじっくり看護したい人向け

訪問看護は、

利用者の自宅へ訪問して看護を提供する仕事

です。

病棟とは大きく働き方が違います。

基本的には、

利用者1人に対して看護師1人

で関わる時間が中心です。


訪問看護の主な仕事

たとえば、

健康状態の観察

服薬管理

点滴

褥瘡処置

医療機器管理

終末期ケア

家族支援

などです。

利用者の生活そのものを見るため、

病棟とは違った看護の視点が必要になります。


訪問看護のメリット

一人ひとりとじっくり関われる

訪問時間中は、その利用者に集中できます。

在宅看護を深く学べる

生活環境まで含めて看護を考えます。

日勤中心の求人が多い

ただしオンコールがある職場も多いです。


訪問看護で気になる点

訪問看護では、

一人で判断する場面

が多くなります。

もちろん事業所へ相談できますが、

訪問先では自分一人ということもあります。

さらに、

オンコール

車の運転

天候

移動時間

なども働き方に影響します。


訪問看護が向いている人

  • 1対1の看護が好き
  • 患者さんの生活まで見たい
  • 自分で考えて動くのが好き
  • 在宅医療に興味がある
  • 家族支援にも関わりたい

という人に向いています。


給与はどこが高い?

「どこで働けば給料が高い?」

という疑問もあります。

しかし、職場の種類だけでは決まりません。

給与は、

地域

経験年数

夜勤回数

病院規模

法人

役職

などによって変わります。

一般に、夜勤のある病院は夜勤手当が加わるため月収が高くなりやすい傾向があります。

一方、

夜勤なしの訪問看護でも、インセンティブ制度などで高収入になる求人もあります。

そのため、

職場種別だけで給与を判断しない

ことが重要です。


夜勤をなくしたいならどこ?

夜勤なしを優先するなら、

クリニック

訪問看護

介護施設の一部

などが候補になります。

ただし、

クリニック
→夜勤なしでも残業あり

訪問看護
→オンコールあり

介護施設
→夜勤なしでもオンコールあり

というケースがあります。

「夜勤なし」だけでなく、

オンコールの有無

も確認しましょう。


土日休みを希望するなら?

一般病棟では土日祝日も勤務になります。

土日休みを希望するなら、

一部のクリニック

訪問看護

健診センター

企業看護師

なども選択肢です。

ただし、訪問看護でも土日営業の事業所があります。

必ず求人条件を確認しましょう。


患者さんと長く関わりたいなら?

患者さんとの関係性を重視するなら、

慢性期病院

介護施設

訪問看護

などが候補になります。

急性期では入退院が早く、

「やっと信頼関係ができたところで退院」

ということもあります。

一方、慢性期や在宅では、

数か月、数年単位で関わることがあります。


医療技術を身につけたいなら?

医療処置や急変対応などを学びたいなら、

急性期病院

が有力な選択肢です。

さらに、

ICU

救急

手術室

などの専門領域へ進む方法もあります。

一方で、訪問看護でも医療依存度の高い利用者を担当することがあります。

「病院以外では医療技術を使わない」とは限りません。


子育てと両立したいなら?

子育てとの両立を重視する場合は、

職場種別よりも、

勤務時間

残業

土日勤務

夜勤

託児所

急な休みへの対応

を確認することが重要です。

たとえば、

クリニックでも終了時間が19時なら、保育園のお迎えが難しいことがあります。

一方、病院でも院内保育所や時短勤務制度が充実している場合があります。


5つの職場を条件別に比較

目安として整理します。

重視すること向いている可能性がある職場
医療技術を高めたい急性期
患者と長く関わりたい慢性期・介護施設・訪問看護
夜勤を減らしたいクリニック・訪問看護・一部施設
日勤中心クリニック・訪問看護
高齢者看護慢性期・介護施設
在宅看護訪問看護
スピード感ある仕事急性期
生活支援を重視介護施設・訪問看護

あくまで一般的な目安です。


「病院が合わない=看護師が合わない」ではない

ここはとても大切です。

急性期病棟で疲れて、

「自分は看護師に向いていないのかも」

と思う人もいます。

でも、

急性期が合わない。

夜勤が合わない。

大規模病院が合わない。

というだけかもしれません。

クリニックなら合う。

訪問看護なら楽しい。

慢性期なら患者さんと関われる。

ということもあります。

職場が合わないことと、職業が合わないことは別です。


転職先は「仕事内容+働き方」で選ぶ

転職先を選ぶときは、

仕事内容

だけでなく、

働き方

をセットで考えましょう。

たとえば、

訪問看護がやりたい。

でも、

オンコールはできない。

なら、

オンコールなしの訪問看護求人

を探します。

急性期が好き。

でも、

夜勤月6回は厳しい。

なら、

夜勤回数が少ない急性期病院

を探します。

「職場の種類」と「希望条件」を組み合わせることが重要です。


求人票を見るときは同じ条件で比較する

たとえば、

急性期病院とクリニックを比べるとき、

急性期は夜勤4回込みの月収。

クリニックは日勤のみの月給。

では公平に比較できません。

そこで、

基本給

固定手当

夜勤なしの場合の給与

年間休日

残業

通勤

など、同じ条件にそろえて比較します。

「求人の読み方」シリーズで作ったチェック方法がここで役立ちます。


職場見学を活用する

求人票だけでは分からないこともあります。

たとえば、

スタッフの雰囲気

忙しさ

設備

患者層

看護師人数

などです。

気になる職場が見つかったら、可能であれば職場見学をおすすめします。

第4回では、職場見学で見るべきポイントを詳しく解説します。


迷ったら「今より何を変えたいか」に戻る

転職先を見ていると、

「あれもいい」

「こっちもいい」

と迷います。

そんなときは、第1・2回で決めた、

転職理由

希望条件

に戻ります。

たとえば、

今の悩みが夜勤

なら、

夜勤の少なさを優先。

患者さんと関われないのが不満

なら、

慢性期や訪問看護も検討。

こうすると、職場選びの軸がぶれにくくなります。


どの職場にもメリット・デメリットがある

急性期にも良い面と大変な面があります。

クリニックにもあります。

訪問看護にもあります。

つまり、

完璧な職場はありません。

大切なのは、

自分が受け入れられるデメリットか

ということです。

たとえば、

夜勤なしなら給与が少し下がってもよい。

患者さんとじっくり関われるならオンコールは許容できる。

そのように、自分の価値観と照らし合わせて選びます。


5つの職場を最終比較

最後にもう一度整理します。

急性期病院

向いている人
→ 技術・判断力を高めたい

特徴
→ 忙しい・夜勤あり・医療処置多い

慢性期病院

向いている人
→ 患者さんと長く関わりたい

特徴
→ 継続看護・高齢者看護

クリニック

向いている人
→ 日勤中心で働きたい

特徴
→ 外来・少人数・診療科特化

介護施設

向いている人
→ 生活支援・高齢者看護が好き

特徴
→ 長期関係・医師不在時間あり

訪問看護

向いている人
→ 1対1の看護・在宅看護をしたい

特徴
→ 日勤中心・オンコールあり・判断力必要


「どこが一番いい?」ではなく「自分にはどこが合う?」

転職先を選ぶとき、

一番条件の良い職場

を探したくなります。

でも本当に大切なのは、

自分が続けられる職場

です。

急性期が好きな人。

慢性期が好きな人。

外来が好きな人。

在宅が好きな人。

それぞれ違います。

だから、

「どこが一番いい?」ではなく、「私はどこなら働きやすい?」

と考えてみてください。


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次回は、

第4回|看護師の職場見学で見るべき10項目|求人票では分からない職場の見抜き方

です。

求人票では、

給与。

休日。

勤務時間。

などは分かります。

でも、

病棟の雰囲気

スタッフ同士の会話

実際の忙しさ

患者さんへの接し方

までは分かりません。

第4回では、職場見学で確認したいポイントを10項目に整理します。

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