第1回|看護師が「転職したい」と思ったら最初にすること|辞める前に考えたい5つのこと

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「もう、この職場を辞めたい」

看護師として働いていると、そんな気持ちになることがあります。

人間関係がつらい。

夜勤がきつい。

残業が多い。

休みが取れない。

給与に納得できない。

もっと違う看護がしたい。

理由は人それぞれです。

でも、

「転職したい」と思った瞬間に、すぐ退職届を書く必要はありません。

まず大切なのは、

「なぜ辞めたいのか」

そして、

「次の職場では何を変えたいのか」

を整理することです。

ここが曖昧なまま転職すると、

「職場は変わったけれど、結局また同じことで悩んでいる」

ということにもなりかねません。

今回は、看護師が転職を考え始めたときに、辞める前に考えておきたい5つのことを整理します。


まず「辞めたい理由」を書き出してみる

最初にやってほしいのは、

辞めたい理由を頭の中だけで考えず、書き出してみること

です。

たとえば、

  • 夜勤が多い
  • 人間関係がつらい
  • 残業が多い
  • 給料が低い
  • 休みが少ない
  • 通勤が大変
  • やりたい看護ができない
  • 教育体制に不満がある
  • 将来が見えない

などです。

ここで大切なのは、

「辞めたい理由」と「次の職場に求める条件」をつなげること。

たとえば、

夜勤がつらい
→ 夜勤なし、または夜勤回数が少ない職場

残業が多い
→ 残業月平均が少ない職場

休日が少ない
→ 年間休日120日前後を目安に探す

通勤が大変
→ 自宅から30分以内

というように整理します。

「嫌だから辞める」で終わらせず、

何を変えたい転職なのか”

まで考えることが最初の一歩です。


「辞めたい理由」は転職で解決できる?

まず考えたいのが、

今の悩みは、転職すれば本当に解決するのか

ということです。

たとえば、

「今の病棟が合わない」

のであれば、

病院を辞めなくても、

異動

という選択肢があるかもしれません。

夜勤がつらいなら、

夜勤回数を減らせないか相談する

という方法もあります。

人間関係がつらい場合も、

部署異動で状況が変わる可能性があります。

もちろん、職場そのものを変えた方がよい場合もあります。

大切なのは、

「退職」だけを唯一の解決方法にしないこと。

異動。

勤務形態の変更。

夜勤回数の調整。

短時間勤務。

休職。

転職。

いくつかの選択肢を並べたうえで、

それでも転職したいか

を考えてみましょう。


「転職したい」と「今すぐ辞めたい」は分けて考える

仕事がつらいと、

「もう明日にでも辞めたい」

という気持ちになることがあります。

でも、

転職したい

今すぐ退職しなければならない

は同じではありません。

在職したまま転職活動を進めることもできます。

むしろ収入面を考えると、

次の職場を決めてから退職する

方が安心なケースも多いでしょう。

焦って退職してから、

「思ったより求人がない」

「希望条件に合う職場が見つからない」

となると、条件を下げて転職先を決めてしまう可能性もあります。


次の職場で「絶対に変えたいこと」を決める

転職を考えたら、

希望条件を全部並べる

だけではなく、

絶対に譲れない条件

を決めましょう。

たとえば、

  • 夜勤なし
  • 年間休日120日以上
  • 通勤30分以内
  • 月給28万円以上
  • 急性期以外
  • 土日休み
  • 残業月10時間以内

などです。

でも、希望条件を10個すべて満たす求人は、なかなか見つからないかもしれません。

そこでおすすめなのが、

「絶対に譲れない条件を3つ」

決めることです。

たとえば、

  1. 夜勤なし
  2. 年間休日120日以上
  3. 通勤30分以内

です。

そのうえで、

給与は多少下がってもよい。

土日勤務は月2回までならよい。

というように、条件に優先順位をつけます。


「希望条件」と「最低条件」を分ける

さらに整理するなら、

希望条件

最低条件

を分けます。

たとえば、

希望条件

年間休日125日
月給30万円以上
残業月5時間以内

最低条件

年間休日115日以上
月給27万円以上
残業月15時間以内

という形です。

こうしておくと、求人を見たときに、

「希望には届かないけど、検討できる」

「これは最低条件を満たしていない」

と判断しやすくなります。


今すぐ転職するのか、時期を考える

次に考えたいのが、

いつ転職するか

です。

転職したいと思ったからといって、すぐに辞める必要はありません。

たとえば、

賞与を受け取ってから

年度末まで

有給休暇を使ってから

子どもの進学時期に合わせて

引っ越しに合わせて

など、生活全体を考えて時期を決める方法もあります。

看護師の場合、病院によっては年度末や人事異動時期に合わせて採用が増えることもあります。

一方、欠員補充で随時募集している求人もあります。


退職日だけでなく「入職日」から逆算する

転職スケジュールは、

退職日

だけでなく、

新しい職場への入職日

から逆算すると考えやすくなります。

たとえば、

4月1日入職

を目標にするなら、

数か月前から求人情報を集める。

応募する。

面接・職場見学。

内定。

現職へ退職を申し出る。

という流れになります。

今後、この「看護師の転職ガイド」では、転職活動の具体的なスケジュールも詳しく整理します。


退職後のお金を確認する

転職するときに、意外に見落としやすいのがお金です。

在職中は毎月給与が入ってきます。

でも、いったん退職してから次の職場を探す場合は、

収入がない期間

が生じる可能性があります。

その間にも、

  • 家賃
  • 住宅ローン
  • 食費
  • 光熱費
  • 通信費
  • 保険料
  • 年金
  • 税金

などは支払う必要があります。


退職すると社会保険も変わる

会社・病院を退職すると、それまで加入していた健康保険や厚生年金の扱いも変わります。

次の職場へ間を空けずに入職すれば、新しい職場の社会保険へ加入することになります。

一方、退職から次の入職まで期間がある場合は、

健康保険

年金

などの手続きが必要になる場合があります。

そのため、

「退職してからゆっくり探そう」

と考える場合は、生活費だけでなく社会保険料なども含めて資金計画を考えておきましょう。


失業給付を前提にしすぎない

退職後には、一定の条件を満たせば雇用保険の基本手当を受けられる場合があります。

ただし、

退職理由

雇用保険の加入期間

求職活動

などによって扱いが異なります。

また、

「退職した翌月から今までと同じくらいのお金が入る」

という制度ではありません。

失業給付を利用する場合も、

受給条件や手続き、給付開始時期を確認してから退職計画を立てる

ことが大切です。


いきなり応募せず、まず求人を見てみる

転職を考えたら、

まず求人を見てみる

ことをおすすめします。

応募する必要はありません。

今、自分の地域にはどんな求人があるのか。

自分の経験ならどのくらいの給与なのか。

夜勤なしならいくらになるのか。

年間休日120日の求人はどのくらいあるのか。

こうしたことを見るだけでも、

「転職したら何が変わりそうか」

が具体的になります。


求人は1件だけでなく複数見る

最初に条件のよさそうな求人を見つけると、

「ここにしよう」

と思いたくなります。

でも、まずは複数の求人を見比べましょう。

たとえば、

求人A求人B求人C
月給32万円29万円30万円
年間休日105日120日115日
残業20時間5時間10時間
夜勤月5回なし月4回
通勤20分40分15分

こうして比較すると、

一番給料が高い求人が、自分にとって一番よい求人とは限らない

ことが分かります。


求人票は「大きな数字」だけで見ない

求人情報では、

月給35万円!

年間休日120日!

賞与4か月!

など、魅力的な数字が目に入ります。

でも、本当に重要なのは、

基本給はいくらか

夜勤込みなのか

固定残業代があるのか

年間休日の内訳はどうなっているのか

などです。

この部分は「求人の読み方」シリーズ15本で詳しく解説しています。

転職を考え始めた段階から求人票の読み方を知っておくと、職場選びで失敗しにくくなります。


求人はどこで探す?

看護師求人を探す方法は一つではありません。

たとえば、

病院・施設の公式採用ページ

ハローワーク

ナースセンター

求人検索サイト

看護師転職サイト

転職エージェント

などがあります。

それぞれ特徴があります。

一つの方法だけに頼るより、

複数の探し方を知っておく

方が、選択肢は広がります。

この部分は「転職サービスを選ぶ」のカテゴリーで詳しく解説していきます。


転職サイトに登録する前に「自分の条件」を決める

転職サイトやエージェントを利用する場合でも、

自分の希望条件を先に整理する

ことが重要です。

何も決めずに、

「どこかいいところありますか?」

と相談すると、紹介された求人の中から選ぶ形になりがちです。

でも、

「夜勤なし」

「年間休日120日以上」

「通勤30分以内」

と伝えられれば、自分の軸で求人を探せます。

転職サービスは、

転職先を決めてもらうもの

ではなく、

自分の転職を手伝ってもらうもの

として使うのがおすすめです。


「辞めたい理由」を次の職場へ持ち込まない

たとえば、

「人間関係がつらい」

から転職するとします。

次の職場を給与だけで選んでしまうと、

また人間関係で悩む可能性があります。

夜勤がつらくて転職するなら、

夜勤手当が高い職場を選んでも悩みは解決しません。

だから、

今の職場を辞めたい理由

と、

次の職場を選ぶ条件

はつなげて考える必要があります。


「何から逃げたい?」と「何を得たい?」を分ける

転職理由を整理するときにおすすめなのが、

この2つです。

今の職場から何をなくしたい?

  • 夜勤
  • 残業
  • 人間関係
  • 長い通勤
  • 不規則な勤務

次の職場で何を得たい?

  • 土日休み
  • 高い給与
  • やりたい看護
  • キャリアアップ
  • 家族との時間
  • 安定した生活

「嫌なこと」だけでなく、

「次の職場でどう働きたいか」

まで考えると、転職の方向が見えやすくなります。


転職しないという選択肢もある

情報を集めた結果、

「今の職場、思っていたほど悪くないかも」

と感じることもあります。

それも立派な結論です。

求人を見ることで、

今の給与が地域相場より高い。

今の年間休日が多い。

今の福利厚生が充実している。

と気づくこともあります。

つまり転職活動は、

必ず転職するためだけの活動ではありません。

今の職場に残るか、転職するかを判断するための情報収集でもあります。


看護師が転職前に考えたい5つのこと

ここまでを整理します。

辞めたい理由は転職で解決できる?

異動や勤務変更など、他の方法も検討します。

次の職場で絶対に変えたいことは?

譲れない条件を3つ程度決めます。

いつ転職する?

退職日ではなく、希望入職日から逆算します。

退職後のお金は大丈夫?

生活費や社会保険なども含めて考えます。

どんな求人がある?

応募する前に、まず複数の求人を見て相場を知ります。

この5つを整理してから転職活動を始めると、かなり進めやすくなります。


転職ノートを1枚作ってみよう

紙でもスマートフォンのメモでも構いません。

次のように書いてみてください。

転職したい理由
・夜勤がつらい
・残業が多い
・通勤に1時間かかる

絶対に譲れない条件

  1. 夜勤なし
  2. 年間休日120日以上
  3. 通勤30分以内

できれば欲しい条件
・月給28万円以上
・土日休み
・残業月10時間以内

転職希望時期
6か月以内

ここまで書くだけでも、

「なんとなく辞めたい」

から、

「こういう職場に転職したい」

へ変わります。


最初にすることは「退職届を書く」ではない

「転職したい」

そう思ったとき、最初にすることは退職届を書くことではありません。

まず、

自分が何に困っているのか

次はどう働きたいのか

を整理することです。

そこから求人を見る。

比べる。

職場を調べる。

応募する。

そして納得できる職場が見つかったら、退職へ進む。

この順番の方が、転職を落ち着いて進めやすくなります。


転職の目的は「辞めること」ではない

転職活動をしていると、

今の職場を辞めることがゴールのように感じることがあります。

でも、本当のゴールは、

次の職場で、自分がより納得して働けること

ではないでしょうか。

だからこそ、

「早く辞めたい」

という気持ちだけで次を決めず、

「次はどう働きたい?」

を考えてみてください。

その答えが、これから求人を選ぶときの基準になります。


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次回は、

第2回|看護師の転職で失敗しない希望条件の決め方|給与・休日・夜勤・通勤を整理しよう

です。

求人を見始める前に、

給与はいくら必要?

年間休日は何日ほしい?

夜勤は続ける?

通勤時間は何分まで?

を具体的に整理します。

「条件が多すぎて求人を選べない」

「何を優先すればいいか分からない」

という人でも使える、希望条件の優先順位の付け方を解説します。

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