第16回|「週休2日制」を徹底解説!年間休日104日・90日・70日では何が違う?

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「毎週」「その他」「なし」と会社カレンダーの落とし穴


「毎週」「その他」「なし」と会社カレンダーの落とし穴

求人票に、こんな記載があったとします。

週休二日制:その他

年間休日:90日

「週休2日制と書いてあるのに、年間休日が90日しかないの?」

あるいは、こんな求人もあります。

週休二日制:毎週

年間休日:104日

「完全週休2日制なら、土日祝日は休めるんじゃないの?」

さらに、年間休日が70日程度なのに、週休二日制の欄が「なし」ではなく「その他」になっている求人を見かけることもあります。

これらは、休日制度を読み解くうえで重要な疑問です。

第1回では「週休2日制」と「完全週休2日制」の違い、第2回では年間休日105日・110日・120日の違いを解説しました。

今回は、その2つをさらに掘り下げます。

週休二日制の表示と年間休日数を組み合わせ、実際にどんな勤務が考えられるのか。

具体的なケースを使って徹底解説します。

※以下の勤務表は、求人票の読み方を理解するための架空の例です。実際の休日制度は、各求人の休日欄・特記事項・会社カレンダー・労働条件通知書などで確認してください。


まず押さえたい「毎週」「その他」「なし」の違い

ハローワークの求人票には、「週休二日制」という項目があります。

そこで使われる主な表示が、次の3つです。

ただし、ここで注意したいことがあります。

「その他」は、休日数や勤務パターンを一つに特定できる表示ではありません。

隔週で2日休める職場もあれば、月に1回だけ週2日休みになる職場も考えられます。

「その他」という表示を見たら、その下にある休日の説明を読むことが必要です。

また、「毎週」と書かれていても、土日が休みとは限りません。

この違いを、具体例で見ていきましょう。


ケース1|完全週休2日制・土日休み・年間休日104日

まずは、最もイメージしやすいケースです。

1年間は約52週です。

52週 × 2日 = 約104日。

毎週土曜日と日曜日が休みなら、年間休日はおおむね104〜105日になります。実際の日数は対象年や休日の配置によって異なります。

ここで重要なのは、完全週休2日制でも、祝日や年末年始が別途休みになるとは限らないということです。

たとえば、月曜日が祝日でも、その職場で祝日を休日と定めていなければ勤務日です。

12月31日や1月2日も、土日に当たらず、特別な休日の設定がなければ勤務日になる可能性があります。

つまり、年間休日104日程度の完全週休2日制は、毎週2日休めても、祝日・夏季・年末年始の追加休日がほとんどない勤務形態として考えられます。

ただし、年間休日数だけで年末年始の勤務を断定することはできません。

確認する質問

「土日以外の祝日や年末年始は、原則として勤務日でしょうか?」


ケース2|完全週休2日制・水曜と日曜休み・年間休日104日

完全週休2日制と聞くと、土日休みを想像しがちです。

しかし、毎週2日休めれば、休日の曜日は土日である必要はありません。

クリニックや小売業などでは、このように平日と日曜日を組み合わせた休日も考えられます。

この場合、毎週2日の休みは確保されています。

しかし、土曜日は勤務日です。

友人や家族が土日休みの場合、予定を合わせられるのは主に日曜日になります。

「毎週」と「土日休み」は別の情報なのです。

確認する質問は、

「休日は毎週水曜日と日曜日で固定されていますか? 祝日はどうなりますか?」

です。


ケース3|完全週休2日制・曜日不定・年間休日104日

次は、病院や介護施設で見かけるシフト制です。

この場合、毎週2日休みなので完全週休2日制です。

しかし、土曜日も日曜日も勤務になる週があります。

ここで混同しやすいのが、求人票にある2つの「その他」です。

休日:その他

と

週休二日制:その他

は別の項目です。

休日欄の「その他」は、休日の曜日や決め方を示すものです。一方、週休二日制の「その他」は、毎週2日休みとは限らない制度を示します。

したがって、

「休日:その他」「週休二日制:毎週」

という組み合わせは矛盾ではありません。

確認する質問は、

「毎週2日の休日は確保されていますか? 土日休みや連休は月に何回程度ありますか?」

です。


ケース4|完全週休2日制・年間休日120日

では、完全週休2日制で年間休日120日ならどうでしょうか。

毎週2日の休日だけなら、年間約104日です。

120日との差は、おおむね16日。

この追加分が何によって設定されているかがポイントになります。

ただし、祝日がもともとの土日休みと重なった場合、単純に祝日の日数を足すことはできません。

また、病院では祝日に勤務して、別の日を休日として設定する制度も考えられます。

そのため、年間休日120日でも土日祝休みとは限りません。

「何日休めるか」と「いつ休めるか」は、必ず分けて確認しましょう。


ケース5|週休二日制「その他」・隔週土曜休み・年間休日90日程度

ここからが今回の重要なポイントです。

求人票に、

週休二日制:その他

と書かれていた場合です。

たとえば、次のような勤務を考えてみます。

4週間で休日は6日です。

6日 × 約13回 = 年間約78日。

ここに祝日や年末年始などの追加休日が12日程度あれば、年間休日は約90日になります。

つまり、

週休二日制「その他」・年間休日90日

という求人は、隔週で2日休みになる制度などが考えられます。

ただし、年間90日だから必ず隔週休2日というわけではありません。

会社カレンダーやシフトによって、休日の配置は変わります。

確認する質問は、

「週2日休めるのは月に何回ですか? 年間90日の休日の内訳を教えてください」

です。


ケース6|週休二日制「その他」・4週6休・年間休日90日程度

求人票の特記事項に、

4週6休

と書かれている場合があります。

これは、4週間の中で6日の休日を設ける勤務形態です。

たとえば、次のような配置です。

4週6休の休日だけなら、年間換算で約78日です。

そこに別途設定された休日が加われば、年間90日前後になる場合があります。

ただし、4週6休と書いてあっても、毎回この順番で休日が配置されるとは限りません。

4週間で合計6日休めることと、毎週2日休めることは違います。

また、4週6休という記載だけで、週休二日制欄の表示を必ず「その他」と断定することもできません。実際に週2日休みとなる週があるかなど、休日制度の内容を確認する必要があります。


ケース7|週休二日制「その他」・4週5休・年間休日70日程度

さらに休日が少ないケースを考えてみます。

4週5休

です。

これは4週間で休日が5日という勤務形態です。

たとえば、

4週間で5日休みなので、

5日 × 約13回 = 年間約65日。

ここに追加休日が5日程度あれば、年間休日は約70日になります。

この例では、第1週に2日休みがあります。

したがって、週2日の休日がある週を設ける制度として、「その他」に該当することが考えられます。

一方、実際の休日の配置によっては、週休二日制に該当しない場合もあります。

年間休日70日という数字だけで、「その他」か「なし」かを判断することはできません。

重要なのは、週2日休みになる週が実際に設定されているかどうかです。


ケース8|年間休日70日でも「週休二日制:なし」となる例

今度は、次のような勤務を考えてみましょう。

  • 毎週日曜日だけが休日
  • 週2日休みになる週はない
  • 年末年始などに追加の休日がある

毎週日曜日だけなら、年間約52日です。

ここに会社が定める追加休日が18日あれば、年間休日は約70日になります。

しかし、毎週の休日は原則として1日であり、週2日休みになる週を設ける制度ではありません。

このような場合は、週休二日制「なし」となることが考えられます。

つまり、同じ年間休日70日でも、

4週5休などで週2日休みの週がある制度

と、

毎週1日休み+追加休日という制度

では、週休二日制の表示が異なる可能性があります。

年間休日数だけでは、休日制度の全体像は分からないのです。


ケース9|「会社カレンダーによる」は何を意味する?

求人票の休日欄で、よく見かけるのが、

会社カレンダーによる

という記載です。

これは、会社が定めた年間の勤務日・休日のカレンダーに従うという意味です。

ただし、これだけでは休日の具体的な配置は分かりません。

たとえば、次のような職場が考えられます。

製造業の例

繁忙期は土曜日も勤務。

閑散期は土日休み。

年末年始や夏季にはまとまった休日を設定。

小売業の例

土日祝日は営業。

休日は平日を中心にシフトで設定。

医療・介護施設の例

365日稼働。

月ごとの勤務表で休日を決定。

このように、会社カレンダーやシフト制という言葉だけでは、完全週休2日制なのか、週休二日制「その他」なのかは分かりません。

「会社カレンダーによる」は、休日数を保証する言葉ではないのです。

確認したいのは、

「年間の勤務カレンダーを見せてもらえますか?」

「週1日しか休めない週はありますか?」

「繁忙期の土曜出勤は年間何回ですか?」

という点です。


ケース10|年間休日104日なのに「週休二日制:その他」もあり得る

ここまで読むと、

「年間休日104日なら完全週休2日制では?」

と思うかもしれません。

しかし、そうとは限りません。

たとえば、

  • 繁忙期は週1日休み
  • 閑散期は週2日休み
  • 年末年始にまとまった休日を設定

という会社カレンダーで、年間休日の合計が104日になる場合も考えられます。

年間休日が同じ104日でも、

毎週2日ずつ休む104日

と、

週によって休日数が変わる104日

では、生活リズムが異なります。

年間休日数は「合計」、週休二日制の表示は「休日の設け方」を読むための情報です。

両方を確認する必要があります。


一目で分かる!休日制度と年間休日の比較表

ここまでのケースを整理してみましょう。

※表示は説明用の例です。「4週5休」「4週6休」や年間休日数だけから、ハローワークの週休二日制区分を機械的に決めることはできません。


年間休日70日・90日・104日・120日を勤務日数で比較する

1年間を365日として、休日数を勤務日数に置き換えてみましょう。

年間休日70日と120日では、年間50日の差があります。

5年間、休日数が同じだと仮定すれば250日の差です。

ただし、休日数が多ければ、それだけで自分に合う求人と決まるわけではありません。

給与、勤務時間、残業、通勤時間、夜勤、仕事内容なども合わせて比較することが大切です。


看護師の場合は「夜勤明け」と「公休」も確認する

病院の求人では、

4週8休

月9日休み

シフト制

といった記載も見かけます。

ここで注意したいのが、夜勤明けです。

たとえば、16時間夜勤の場合、

  • 月曜日:夜勤入り
  • 火曜日:夜勤明け
  • 水曜日:公休

という勤務があります。

火曜日は朝に仕事が終わるため、昼間は自宅で過ごせるかもしれません。

しかし、夜勤明けをそのまま丸1日の休日と考えることはできません。休日の法的な扱いは勤務形態などによっても異なります。

求人票で年間休日104日と書かれていても、夜勤明けの扱いや休日の配置によって、実際の生活リズムは大きく変わります。

看護師なら、次の質問も加えましょう。

「夜勤明けの翌日は原則として公休ですか?」

「夜勤明けを挟まずに連続勤務になることはありますか?」

「希望休は月何日出せますか?」

「土日休みや連休は月に何回程度ありますか?」


「年間休日が少ない=直ちに違法」ではない

ここは誤解しないようにしたいところです。

労働基準法では、原則として毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることが定められています。

ただし、休日の最低基準を満たしていれば、どれほど長時間働かせてもよいという意味ではありません。

労働時間には原則として1日8時間・週40時間という法定労働時間の規制があり、例外や変形労働時間制などの制度も関係します。

たとえば、年間休日70日で1日8時間勤務の場合、単純計算では、

365日 − 70日 = 295勤務日。

295日 × 8時間 = 年間2,360時間。

となります。

この数字だけで違法と断定することはできませんが、労働時間制度や所定労働時間を詳しく確認する必要があります。

年間休日が少ない求人では、休日数だけでなく、1日の所定労働時間・週の労働時間・変形労働時間制の有無まで確認することが重要です。


求人票を見ながら使える「あんこ式・休日確認10項目」

全部を一度に確認できなくても構いません。

求人票で分からない部分をメモし、ハローワークの相談窓口や求人先に確認していけばよいのです。


迷ったら、この3つの質問から始めよう

求人票を見て、週休二日制「その他」と書かれていたら、まずは次の3つを確認しましょう。

①「週2日休めるのは、月に何回ですか?」

「その他」の具体的な意味を確認できます。

②「年間休日○日は、どのような内訳ですか?」

毎週の休日と祝日・夏季・年末年始などの関係を確認できます。

③「年間の会社カレンダーや勤務表の例を見せてもらえますか?」

数字だけでは分からない、実際の休日の配置を確認できます。

この3つを聞くだけでも、休日制度の見え方は変わってきます。


「週休2日制」という言葉ではなく、自分の休日を確認しよう

今回のポイントを振り返ります。

完全週休2日制でも、土日休みとは限りません。

毎週水曜・日曜休みも、曜日不定のシフト制も、毎週2日の休日が確保される制度なら完全週休2日制になり得ます。

完全週休2日制でも、年間休日120日とは限りません。

毎週2日の休日だけなら、年間約104日前後です。

週休二日制「その他」でも、休日の取り方はさまざまです。

隔週2日休み、4週5休・4週6休のような勤務形態、会社カレンダーによる変則的な休日設定など、具体的な内容を確認する必要があります。

そして、

年間休日70日・90日・104日という数字だけでは、「毎週」「その他」「なし」の区分は決められません。

求人票を見るときに大切なのは、

「週休2日制と書いてあるから大丈夫」

と判断することではありません。

「私は、いつ、何日、どのように休めるのか」

を確認することです。

転職してから、

「完全週休2日制なのに土曜日は勤務だった」

「週休2日制なのに週1日しか休めない週が多かった」

「年末年始も普通に勤務だった」

と驚かないために。

休日欄は、給与欄と同じくらい丁寧に読み解いていきましょう。

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