看護師の求人を見ていると、
夜勤手当 1回18,000円
と書かれていることがあります。
「1回18,000円なら高い!」
と思うかもしれません。
一方、別の求人では、
夜勤手当 1回12,000円
と書かれていました。
これだけを見ると、18,000円の求人の方が条件が良さそうに見えます。
でも、本当にそうでしょうか。
夜勤には、
二交替なのか三交替なのか
1回の勤務時間は何時間か
月に何回入るのか
夜勤明けの翌日は休みなのか
など、手当の金額だけでは分からない条件があります。
夜勤手当が高くても、勤務時間が長かったり、夜勤回数が多かったりすれば、負担感は大きくなるかもしれません。
今回は、看護師求人の夜勤条件をどう比較すればよいのか、具体的に見ていきます。
まず「夜勤手当」とは?
夜勤手当は、勤務先が夜勤を行う職員に対して支給する手当です。
看護師の場合、
二交替の夜勤1回○円
準夜勤1回○円
深夜勤1回○円
など、勤務形態によって金額が異なることがあります。
ここで重要なのは、
夜勤手当の金額は全国一律ではない
ということです。
勤務先ごとに賃金制度が異なるため、同じ地域・同じ病院規模でも金額が違うことがあります。
「夜勤手当18,000円」と「12,000円」は単純比較できない
たとえば、
求人A
二交替
夜勤16:30〜翌9:00
夜勤手当 18,000円/回
求人B
三交替
準夜勤16:30〜1:00
準夜勤手当 6,000円
深夜勤0:30〜9:00
深夜勤手当 7,000円
とします。
求人Aは1回18,000円。
求人Bは準夜・深夜を合わせると1回あたり13,000円程度に見えるかもしれません。
しかし、勤務の組み方や拘束時間が違います。
そのため、
「1回いくら」だけでは公平に比較できません。
まず二交替か三交替かを確認する
看護師の夜勤を比較するときは、最初に勤務形態を確認しましょう。
二交替
一般的には、
日勤
と
夜勤
の2つに分ける勤務です。
夜勤は夕方から翌朝までの長時間勤務になることがあります。
例:
日勤 8:30〜17:00
夜勤 16:30〜翌9:00
三交替
一般的には、
日勤
準夜勤
深夜勤
の3つに分ける勤務です。
例:
日勤 8:30〜17:00
準夜 16:30〜1:00
深夜 0:30〜9:00
1回の勤務時間は二交替より短い場合がありますが、勤務回数は増えることがあります。
二交替の「1回18,000円」は勤務時間も見る
たとえば、
夜勤手当18,000円
でも、夜勤時間が、
16:30〜翌9:00
なら、拘束時間は約16時間30分です。
一方、
夜勤手当14,000円
でも、
17:00〜翌8:30
なら、勤務時間は異なります。
もちろん途中に休憩や仮眠時間が設定されていることがあります。
そのため、
夜勤手当 ÷ 実際の拘束時間
という単純な時給計算だけで判断することはできません。
それでも、
「高い手当には、どのくらいの夜勤時間が対応しているのか」
を見る視点は大切です。
夜勤回数は月何回?
次に確認したいのが、夜勤回数です。
たとえば、
夜勤手当18,000円
月4回
なら、
18,000円×4回
=72,000円
です。
夜勤手当12,000円
月6回
なら、
12,000円×6回
=72,000円
です。
1回あたりの手当は違いますが、月額では同じになります。
さらに、夜勤回数が多ければ、生活リズムへの負担も変わってきます。
「月給32万円」に夜勤4回が含まれていないか
看護師求人で非常に重要なのがここです。
求人広告に、
月給320,000円
と大きく書かれていても、内訳を見ると、
基本給 230,000円
資格手当 20,000円
夜勤手当 17,500円×4回
=70,000円
合計
320,000円
ということがあります。
この場合、
夜勤なしなら250,000円
です。
つまり、
32万円=毎月固定でもらえる給与
ではありません。
求人を見るときは、
夜勤なしの給与
と
夜勤をした場合の月収
を分けて考えましょう。
夜勤回数が「月4〜5回」と書かれていたら
求人票には、
夜勤 月4〜5回程度
と書かれていることがあります。
ここから月収例を計算できます。
たとえば、
夜勤手当15,000円の場合、
月4回
15,000円×4
=60,000円
月5回
15,000円×5
=75,000円
差は15,000円です。
月によって夜勤回数が変わるなら、月収も変動します。
だからこそ、
月給ではなく「月収例」と書かれていないか
確認しましょう。
夜勤回数は多ければ収入が増える。でも…
夜勤手当が1回15,000円なら、
月4回で60,000円。
月6回なら90,000円です。
収入は3万円増えます。
しかし、夜勤が2回増えることで、
生活リズム
睡眠
休日の過ごし方
などへの影響も増える可能性があります。
そのため、
夜勤が多い=得
と単純には言えません。
給与と負担の両方を見て判断しましょう。
夜勤専従ならさらに見方が変わる
看護師求人には、
夜勤専従
という働き方もあります。
夜勤専従は、夜勤を中心に勤務するため、夜勤手当を含めた収入が高くなることがあります。
ただし、
月何回勤務するのか
1回の勤務時間
休憩・仮眠
社会保険の加入条件
常勤か非常勤か
などを確認する必要があります。
「1回30,000円」などの高い金額だけで判断しないようにしましょう。
「夜勤手当」と「深夜割増」は同じ?
ここは少し注意が必要です。
法律上、午後10時から午前5時までの深夜労働には、原則として深夜割増賃金が発生します。
勤務先が支給する「夜勤手当」が、
深夜割増分を含むのか
深夜割増とは別に支給する独自手当なのか
は、賃金制度によって異なります。
求人票だけでは分かりにくい場合には、
「夜勤手当には深夜割増分が含まれていますか?」
と確認してもよいでしょう。
夜勤明けの翌日も確認する
夜勤の負担を考えるうえで非常に重要なのが、
夜勤明け後の勤務
です。
たとえば、
夜勤
↓
明け
↓
休み
なら、身体を休める時間を確保しやすくなります。
一方で、勤務体系によっては、
夜勤明けの翌日に日勤
となることもあります。
求人票だけでは分かりにくいので、
「夜勤後はどのような勤務になることが多いですか?」
と確認するとよいでしょう。
「明け」は休日ではない
看護師のシフトを考えるときによくある誤解です。
夜勤明けの日は朝に勤務が終わるため、
「休みみたいなもの」
と感じることがあります。
しかし、夜勤明けはその日の朝まで勤務しています。
したがって、
夜勤明け=休日
と単純に数えるのは適切ではありません。
年間休日や月の休日数とは分けて考えましょう。
夜勤の休憩・仮眠時間は?
同じ16時間夜勤でも、
休憩・仮眠2時間
の職場と、
実際にはほとんど仮眠できない職場では、負担感が違います。
求人票に、
休憩120分
と書かれていても、実際にどの程度休めるのかは職場状況によって異なる可能性があります。
面接や職場見学で、
「夜勤中の休憩や仮眠は、実際にはどの程度取れていますか?」
と確認してみるのもよいでしょう。
夜勤は何人体制?
夜勤の働きやすさを左右する重要な条件です。
たとえば、
看護師3人体制
と、
看護師1人+介護職1人
では、仕事内容や負担が違う可能性があります。
求人票に夜勤人数が書かれている場合は確認しましょう。
書かれていなければ、
病棟の夜勤体制
を職場見学などで聞いてみるのがおすすめです。
受け持ち人数も確認したい
同じ夜勤手当でも、
夜勤1人あたりの担当患者数が違えば、忙しさは変わります。
たとえば、
看護師3人で40床
と、
看護師2人で50床
では勤務の負担感が異なる可能性があります。
もちろん患者の重症度や病棟機能でも変わります。
そのため、
夜勤手当だけでなく、夜勤体制全体を見る
ことが重要です。
救急対応や入院受け入れも負担に影響する
急性期病院なら、夜間に、
救急搬送
緊急入院
急変対応
が発生することがあります。
療養病棟や慢性期病棟とは、夜勤の内容がかなり違う可能性があります。
求人を見るときは、
病院の機能
病棟の種類
まで含めて夜勤を考えましょう。
2つの求人を比較してみよう
架空の求人を比較します。
求人A
基本給 250,000円
資格手当 20,000円
夜勤手当 18,000円
夜勤 月4回
二交替
月収例:
250,000+20,000+72,000
=342,000円
求人B
基本給 260,000円
資格手当 20,000円
夜勤手当 13,000円
夜勤 月4回
二交替
月収例:
260,000+20,000+52,000
=332,000円
求人Aの方が月収は1万円高いです。
でも、
求人A
夜勤16:00〜翌9:30
求人B
夜勤17:00〜翌8:30
だったらどうでしょうか。
さらに、
求人A
夜勤明け翌日が日勤になることあり
求人B
原則として明け翌日は休み
なら、評価は変わるかもしれません。
夜勤手当だけでは求人の良し悪しは決まりません。
夜勤なし求人とも比較してみる
たとえば、
求人A
夜勤あり
月収34万円
求人B
夜勤なし
月給29万円
なら、
月5万円の差です。
年間なら単純計算で、
5万円×12=60万円
です。
その60万円と、
月4回程度の夜勤
をどう考えるか。
これは人によって答えが違います。
収入を重視する人もいれば、生活リズムを優先する人もいます。
重要なのは、
「夜勤があるから高給」ではなく、自分にとってその差額に価値があるか
を考えることです。
夜勤求人で確認したい9項目
夜勤のある求人を見つけたら、次の9項目を確認してみましょう。
① 二交替か三交替か
まず勤務体系を確認します。
② 夜勤時間は何時から何時まで?
拘束時間を確認します。
③ 夜勤手当はいくら?
1回あたりの金額を確認します。
④ 月何回程度?
月収と負担の両方に影響します。
⑤ 夜勤手当を除いた給与はいくら?
基本給+固定手当を確認します。
⑥ 夜勤明け後の勤務はどうなる?
翌日の勤務も確認します。
⑦ 休憩・仮眠時間は?
制度上だけでなく、実際に取れているかも重要です。
⑧ 夜勤は何人体制?
夜勤時の配置人数を確認します。
⑨ どんな病棟・施設?
患者の重症度、救急対応、入院受け入れなども負担に影響します。
面接・職場見学で聞きたい質問
夜勤については、かなり具体的に聞いて構いません。
たとえば、
「夜勤は月に何回程度になることが多いでしょうか?」
「夜勤明けの翌日は、通常どのような勤務になりますか?」
「夜勤中の休憩・仮眠はどの程度取れていますか?」
「夜勤は看護師何名体制でしょうか?」
「夜勤明けは皆さん何時ごろ退勤されていますか?」
などです。
どれも、入職後の働き方を確認するための重要な質問です。
「夜勤手当が高い」だけで決めない
夜勤手当18,000円。
夜勤手当12,000円。
数字だけを見れば、18,000円に魅力を感じます。
でも実際には、
何時間働く?
月何回?
二交替?三交替?
明けの翌日は?
仮眠は取れる?
何人体制?
まで確認しなければ、本当の条件は分かりません。
夜勤手当を見るときは、
「1回いくら」から「1か月の夜勤生活はどうなる?」へ
視点を広げてみてください。
夜勤は「収入」と「働き方」をセットで比較する
看護師にとって夜勤は、収入を大きく左右する要素の一つです。
一方で、生活リズムや体力面にも影響します。
だからこそ、
夜勤手当
だけでなく、
夜勤なしの基本的な給与
勤務時間
夜勤回数
勤務体制
休み方
をセットで見ることが大切です。
求人票の、
「夜勤手当○円」
という数字だけを見て終わらず、
「この夜勤を月4回する生活を、自分は続けられそうか?」
まで考えてみてください。
求人の見え方が大きく変わります。
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