求人票を見ていると、
試用期間あり:3か月
と書かれていることがあります。
ここで、
「試用期間って、給料が安くなるの?」
「夜勤手当や資格手当も同じ?」
「社会保険には入れる?」
「試用期間なら簡単に辞めさせられるの?」
と不安になる人もいるでしょう。
でも、試用期間があること自体は珍しいことではありません。
大切なのは、
試用期間中も本採用後と同じ条件なのか
それとも、
給与・手当・勤務内容などに違いがあるのか
を求人票や労働条件通知書で確認することです。
今回は、求人票で「試用期間あり」を見つけたときに確認したいポイントを整理します。
そもそも「試用期間」とは?
試用期間とは、一般に採用後の一定期間、勤務状況や適性などを確認するために設けられる期間です。
たとえば、
試用期間3か月
試用期間6か月
などです。
ただし、試用期間であっても労働契約が存在していることに変わりはありません。
「試用だから正式な社員ではない」
「試用期間中なら労働条件は何でも自由」
というわけではありません。
試用期間中に給与が下がることはある?
あります。
ただし、必ず下がるわけではありません。
たとえば、
求人A
試用期間3か月
条件変更なし
なら、基本的には本採用後と同じ給与条件です。
一方、
求人B
試用期間3か月
基本給240,000円
本採用後250,000円
という条件もあり得ます。
そのため、
「試用期間あり」だけでなく「試用期間中の条件変更あり・なし」
を確認することが重要です。
「条件変更なし」と書いてあれば安心?
多くの場合、安心材料にはなります。
求人票に、
試用期間あり:3か月
試用期間中の労働条件:同条件
と書いてあれば、
給与や勤務時間などが本採用後と同じ条件であることを示していると考えられます。
ただし、実際の細かな条件は、
労働条件通知書
雇用契約書
などで最終確認しましょう。
看護師は「夜勤開始時期」にも注意
看護師の試用期間では、
入職直後は日勤のみ
一定期間後に夜勤開始
というケースがあります。
たとえば、
入職1か月目
→日勤のみ
2か月目
→夜勤オリエンテーション
3か月目以降
→独り立ちして夜勤開始
という流れです。
この場合、夜勤手当が付くのは夜勤に入ってからなので、入職直後の月収は求人広告の「月収例」より低くなることがあります。
たとえば、
月収例320,000円
※夜勤4回を含む
という求人で、試用期間中は夜勤がなければ、
夜勤手当分だけ月収が少なくなる
可能性があります。
資格手当や職務手当はどうなる?
試用期間中の手当も確認しましょう。
たとえば、
資格手当 20,000円
が本採用後のみ支給されるのか、
試用期間中から支給されるのか。
職場によって異なる場合があります。
同様に、
住宅手当
職務手当
処遇改善手当
なども、試用期間中の扱いを確認しておくと安心です。
試用期間中の賞与はどうなる?
賞与についても注意が必要です。
たとえば、
試用期間3か月
のうちに賞与支給日が来たとしても、満額支給されるとは限りません。
理由は、
賞与算定期間
在籍期間
試用期間中の扱い
などによって支給額が変わることがあるからです。
「試用期間だから賞与ゼロ」と一律に決まっているわけではありませんが、初年度の賞与は本採用後の職員より少なくなることもあります。
詳しくは第7回「賞与○ヶ月分は何を基準に計算する?」の記事とつなげると分かりやすいです。
社会保険には入れる?
試用期間中であっても、加入要件を満たせば、
健康保険
厚生年金保険
雇用保険
などの対象になることがあります。
「試用期間だから社会保険に入れない」
と単純に考えるものではありません。
もし求人票に社会保険加入について明確な記載がなければ、
「試用期間中も社会保険の加入条件は同じですか?」
と確認しておくとよいでしょう。
試用期間なら簡単に解雇できる?
これも誤解されやすいところです。
試用期間中であっても、雇用契約がある以上、
会社が自由にいつでも解雇できる
というわけではありません。
本採用前の適性確認という意味はありますが、解雇には客観的に合理的な理由などが求められます。
「試用だから理由なしで明日から来なくていい」
というような扱いが当然に認められるわけではありません。
ただし、実際の個別ケースは事情によって判断が分かれるため、求人を見る段階では、
「試用期間中の雇用条件はどうなっているか」
をまず確認することが重要です。
試用期間はどれくらいなら普通?
求人では、
1か月
3か月
6か月
などさまざまです。
3か月程度は比較的よく見かけますが、業務内容や職場によって期間は異なります。
長いから悪い、短いから良いと単純には判断できません。
重要なのは、
その期間中に何が違うのか
です。
試用期間6か月なら確認したいこと
試用期間が長めの場合は、特に条件差を確認しましょう。
たとえば、
試用期間6か月
本採用後に基本給アップ
という制度なら、半年間は低い給与が続きます。
差が月1万円なら、
1万円×6か月=6万円
です。
月3万円差なら、
18万円
になります。
試用期間が長いほど、給与差の影響も大きくなります。
「試用期間中は時給制」にも注意
正社員求人でも、
試用期間中は時給制
というケースがあります。
たとえば本採用後は月給制でも、
試用期間中
時給1,500円
などです。
この場合は、
月の勤務日数
所定労働時間
によって月収が変わります。
正社員求人だから試用期間中も必ず月給制、とは限りません。
試用期間中の雇用形態は同じ?
求人によっては、
試用期間中は契約社員
本採用後に正社員
という制度もあります。
この場合、
本当に単なる「試用期間」なのか、
有期雇用契約を経て正社員登用する制度なのか
を分けて確認する必要があります。
特に求人票に、
正社員
と書いてあっても、
試用期間中の雇用形態が別になっている場合は注意して読みましょう。
「本採用後に条件変更」の内容を見る
試用期間で最も重要なのは、
本採用前後で何が変わるか
です。
たとえば、
ケースA
試用期間3か月
条件変更なし
これは比較的分かりやすいです。
ケースB
試用期間3か月
基本給▲10,000円
なら、給与が違います。
ケースC
試用期間3か月
夜勤なし
なら、夜勤手当がありません。
ケースD
試用期間中は契約職員
なら、雇用形態自体が違います。
求人票では、
「試用期間あり」という見出しだけで終わらず、その下の条件を読む
ことが重要です。
看護師なら教育体制も確認したい
試用期間は、新しい職場に慣れる期間でもあります。
看護師なら、
プリセプター制度
教育担当者
オリエンテーション
夜勤独り立ちまでの流れ
なども確認するとよいでしょう。
試用期間中に、
「すぐに一人で任される」のか、
「段階的に教育してもらえる」のか
で働きやすさは大きく変わります。
2つの求人を比較してみよう
たとえば、
求人A
本採用後月給 300,000円
試用期間3か月
条件変更なし
求人B
本採用後月給 310,000円
試用期間6か月
試用期間中280,000円
とします。
求人Bの方が本採用後は1万円高いです。
しかし最初の6か月は、
310,000円−280,000円
=30,000円差
です。
6か月なら、
30,000円×6
=180,000円
本採用後の月給だけを見ると求人Bが高く見えますが、初年度収入では差が縮まる可能性があります。
試用期間は年収にも影響する
転職時は、
初年度年収
も考えてみましょう。
たとえば、
本採用後月給30万円
でも、
試用期間3か月は27万円
なら、
3万円×3か月
=9万円
の差です。
さらに試用期間中に夜勤がない場合は、夜勤手当分も変わります。
賞与の算定期間に影響する場合もあります。
そのため、
求人広告の「想定年収」だけでなく、初年度はいくらになりそうか
も確認するとより正確です。
求人票で試用期間を見るときの8つのチェックポイント
試用期間がある求人では、次の8点を確認しましょう。
① 試用期間は何か月?
期間を確認します。
② 給与は同じ?
基本給や月給が下がらないか確認します。
③ 手当は同じ?
資格手当・住宅手当・職務手当などを確認します。
④ 看護師なら夜勤はいつから?
夜勤手当を含めた月収に影響します。
⑤ 社会保険はどうなる?
加入要件と加入時期を確認します。
⑥ 賞与の扱いは?
初年度の支給条件を確認します。
⑦ 雇用形態は同じ?
試用期間中だけ契約職員などになっていないか確認します。
⑧ 本採用の判断基準は?
どのような条件で本採用になるのか確認できると安心です。
面接で聞いてもいい?
試用期間については、労働条件に関わるので確認して構いません。
たとえば、
「試用期間3か月とありますが、給与や手当に変更はありますか?」
と聞けば分かりやすいです。
看護師なら、
「夜勤開始は試用期間終了後でしょうか?」
という質問も重要です。
さらに、
「試用期間中も社会保険や有給休暇の扱いは同じでしょうか?」
と確認してもよいでしょう。
労働条件通知書で最終確認する
求人票は、応募先を探すための重要な情報源です。
ただし、最終的な労働条件は、採用時に示される、
労働条件通知書
や
雇用契約書
で確認しましょう。
特に、
給与
勤務時間
休日
試用期間
雇用形態
は、求人票と最終的な契約内容に違いがないか確認したい項目です。
「試用期間あり」だけで不安にならない
求人票に、
試用期間あり
と書いてあっても、それだけで悪い求人という意味ではありません。
重要なのは、
本採用後と何が違う?
ということです。
給与が同じ。
手当も同じ。
社会保険も同じ。
なら、試用期間があること自体を過度に心配する必要はありません。
一方、
給与が下がる。
手当が出ない。
雇用形態が違う。
なら、その条件を理解したうえで応募するか判断する必要があります。
試用期間は「期間」より「条件」を見る
最後に、この回で覚えておきたいポイントです。
求人票で、
試用期間3か月
という数字だけを見るのではなく、
その3か月間、何が違うのか
を確認してください。
給与。
手当。
夜勤。
社会保険。
賞与。
雇用形態。
この中に変更があるなら、初年度の収入や働き方に影響します。
求人票では、
「試用期間あり」→「条件変更あり・なし」→「具体的に何が違う?」
まで読む。
これがポイントです。
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