シフトが出るのが遅くて予定が立てられない。推し活も旅行も諦める働き方に限界

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看護師あんこ日記 episode18

来月のシフトがまだ出ない。推し活の予定すら決められない

「……え、待って。一般発売、明日の10時からじゃん!」

木曜日の夜勤明け、ボロボロの体でベッドに滑り込み、何気なくスマホを眺めていた私は、思わず飛び起きた。

画面に映っているのは、私が今人生のすべてを捧げて応援している、大好きな推しグループの全国ツアーのスケジュール。

今回のツアー、なんと私の地元からほど近いアリーナでの公演があるのだ。

チケットを手に入れるための最初の関門が、明日の一般先着発売。

オタクとしての血が騒ぐ。今すぐスケジュールを確認しなければ。

「えーっと、公演日は、来月の15日の日曜日、ね……」

カレンダーアプリから、私のシフト管理アプリへと画面を切り替える。

そして、そこにある現実を見て、私は盛大にずっこけそうになった。

画面に表示されている来月のスケジュール欄は、見事なまでに真っ白。

そう。

まだ来月のシフトが出ていないのである。

時計の針は、すでに今月の27日を指している。

今月が終わるまであと3日しかないというのに、来月の自分が「何日に働いて、何日に休みなのか」が、1ミリも分からないのだ。

「師長ーーー! 来月のシフト、まだですかーーー!?」

私は誰もいないワンルームの部屋で、天井に向かって虚しく叫んだ。

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看護師のシフトが出るのは月末ギリギリ。予定が立てられないストレス

私の病棟では、翌月のシフト表が出るのは、前月のかなり遅い時期だ。

28日ならまだ早いほう。

遅いときには30日の夜に、

「はい、これ来月のシフトね」

とナースステーションの壁に貼り出されることもある。

これが何を意味するか。

来月のプライベートの予定を、直前まで確定できない。

ということだ。

一般企業で働く友達から、

「来月の土曜日、みんなで温泉旅行行かない? 早めに宿予約しちゃおうよ!」

と誘われても、私の返事はいつも決まっている。

「ごめん! シフトが出ないと行けるか分からないから、ちょっと待って!」

そう言って待たせているうちに、人気の宿はどんどん埋まっていく。

友達側の計画も止まってしまう。

申し訳なさと情熱の行き場がなくて、枕を何回叩いたか分からない。

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看護師は休み希望や有休を出しにくい?趣味の予定にも罪悪感

「有休を使えばいいじゃない」

と思うかもしれない。

確かに、どうしても外せない予定のために「休み希望」を出す制度はある。

でも、うちの病棟のルールでは、1カ月に出せる休み希望は「3カ所まで」。

しかも、休み希望を出すときには、師長からこんな会話になることもある。

「あんこさん、来月の15日、お休み希望出してるけど、何かあるの?」

「あ、えっと、どうしても行きたいイベントがありまして……」

「イベント? 冠婚葬祭とかじゃないなら、ちょっと他のスタッフとの兼ね合いで日勤になっちゃうかも。今月人手不足だから、協力してね」

協力。

これまた断りにくい魔法の言葉である。

結局、趣味や旅行のために休みたいだけなのに、

「こんな理由で休んでいいのかな」

と、なぜかこちらが罪悪感を抱くことになる。

自分の休みなのに、どうしてこんなにコソコソと言い訳を考えなきゃいけないんだろう。

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シフト制の看護師は、旅行もライブも「出たとこ勝負」

結局、明日のチケット発売日を迎えても、自分がその日に休めるかどうかは「賭け」に出るしかない。

もしチケットが取れても、あとから出たシフト表に、

「日勤」

あるいは、

「夜勤入り」

の文字が刻まれていたら、その時点で私の推し活は強制終了。

泣く泣く公式トレードに出して、泣きながら仕事に行く羽目になる。

こんな「出たとこ勝負」の生き方に、私の心は少しずつ、だけど確実に窮屈さを感じ始めていた。

不規則なシフト勤務のおかげで、平日の空いている時間に買い物に行けたり、銀行の手続きがスムーズにできたりするメリットはある。

それは分かっている。

でも、自分の人生の時間を、自分の大好きな趣味や、大切な人たちとの予定のために「自由にコントロールできない」というのは、思った以上に大きなストレスだ。

仕事のために生きているわけじゃない。

私は、自分の大好きな趣味や旅行を楽しんで、人生を豊かにするために働いているはずなのに。

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土日休み・予定が立てやすい働き方を、本気で探したくなった

「カレンダー通りに休めて、数カ月先の旅行の予約をワクワクしながらできる世界に行きたいな」

ベッドにひっくり返りながら、スマホのカレンダーを眺める。

土日祝日が休みで。

数カ月先の予定を立てやすくて。

有休も、必要なときに申請できる。

そんな働き方なら、今よりずっと自分の人生を大切にできる気がする。

30歳。

仕事のやりがいも大切だけど、プライベートのワクワクを我慢し続ける人生なんて、絶対につまらない。

「私の人生のカレンダーは、私が主導権を握るんだから」

私は起き上がり、来月の真っ白なカレンダーの「15日」のマスを、推しのイメージカラーである青色のペンで、これでもかと力強く塗りつぶした。

シフトがどうなろうと、明日の10時は全力で一般発売のボタンを連打してやる。

そして、私の予定を一番に尊重できる未来のために、

「看護師 土日休み」

「看護師 日勤のみ」

「看護師 年間休日120日以上」

そんな条件でも、求人を本気で探してみよう。

(episode19へ続く)

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